Jewish Wedding
ヘブライ語でkiddushin
その意味はsanctification,神聖なもの
今日の結婚式における数々のしきたりは古くユダヤの祖先モーゼがシナイの山でトーラー(モーゼ五書の経典)を預かる時から始まっています。
Shabbat Before the Wedding
結婚式の一週間前の安息日に
花婿はトーラーを読み上げる(Ufruf)。これは将来の結婚生活においてトーラーの訓えを忘れずに生活するとの証となる。花婿のアーリア(トーラーを読み上げる名誉ある務め)が終わると、その教会で沢山の子供たちによりレーズンやナッツなどを用いて祝福される。それらは甘くて実りのある結婚を意味する。おそらくウエディングシャワーの事でしょう。
一方同じ日の花嫁の過ごし方は、家族や友人たちがやはり甘くて実り多い将来の結婚を祝してのお祝いをする。結婚式の数日前また、数週間後の期間は花嫁花婿は王たる者とされ一般公衆の前に付き添いなしで姿を見せる事はしない事となっています。
The Wedding day - Yom Kippur for the two
結婚式当日は2人の贖罪日(しょくざい日-atonement)
結婚の日には神は2人の過去の全ての罪を許ことになっています。この日2人は式の直前まで断食し懺悔をし新しい出発のために悔い改め祈ります。祈りを終え新しい生涯に入るときそれまでの罪が赦された人として、王様と並んで花婿が上げられます。
*Yom Kippurはユダヤ人にとって安息日の次に聖なる日と言われています。
Kabbalat Panim - Greeting the Bride and Groom
婚約ー正式な引き合い
結婚披露宴は花嫁・花婿が一週間前から会えないためそれぞれ別々に宴される。親戚たちはその際に祝辞を述べる。結婚式の前に、"Tena'im-condition"という結婚の条件を記した書類が当事者、並びにその両親により用意され花婿が花嫁として迎える証とし、その条件書にサインをし内容が公衆の前で読み上げられる。それが終わると皿が割られる。皿は割ってしまうと取り返しのつかないもの。婚約条件書も同じ事を意味する。
Bedeken - Veiling of the Bride
花嫁のベール
旧約聖書の創世記24章にあるイサクの結婚の物語から由来したとされています。花嫁となるリベカの一行が野原でイサクが出迎えるシーンにて、花婿の姿を見てベールを取り出してかぶったと。また古代ローマの習慣を採用したものとも言われています。
ベールをつける女性は、慎ましやかなユダヤ人の象徴として、また同時に既婚者であることを知らせるためでもあるようです。ユダヤの女である事は家の中の強固な人員であり柱である事を意味し、新しい生活においても慎ましやかさと尊厳はゆるぎない家の柱や基盤を象徴するものである。
花婿はその父と花嫁の父となる2人に付き添われ、式が執り行われるフッパー(テントが張られている誓い場)の下の花嫁のもとへ導かれる。その際多くの友人たちも参列。そして花嫁の顔をベールで覆う。ベールをかぶった花嫁はユダヤの女としての慎ましやかさ、尊厳、純潔の美徳の象徴とされる。
Chupah - Wedding Ceremony Under the Canopy
フッパー 誓いの場は幕の下
起源イスラエルの先祖の天幕生活からなどいろいろあるらしいです。ユダヤ人たちの結婚式は通常夕方から始まります。祖先のアブラハムに神が星の数ほどの子孫繁栄を祝福した事を思い起すためでもあります。2人が到着すると花嫁は花婿の周りを7周廻ります。
トーラーの教えでは、男性が女性へ捧げるものは何か価値がわかるもの、お金もしくは金の指輪、契約の書類、親しく住み家を共にする。預言者(賢者)たちはこれら3つの事柄が女性へ捧げるものとして結婚の儀式に執り行われるようにと指導。このような理由で、誓いの場である幕の下では、
1.花婿より花嫁に指輪を贈呈ー価値のはっきりと判るもの
2.結婚における詳細な契約書の贈呈ー後々、死んだ時の財産分与の割合まで入っている。
3.儀式が終わると2人だけの部屋へー親しく2人で住む事。実際には1日の断食を終え食事を2人で取っています
Two Witnesses
2人の証人(立会人)
すべてのユダヤ人の節目にある儀式にはかならず公に認められた立会人を要します。結婚式も同じく2人の立会いのもとで執り行われます。これらの立会人は当事者たち、もしくは参列者たちとは血縁関係がないまったくの他人と定められています。この2人はフッパーの下にたち、モーゼとイスラエルの法律に従って結婚における3つの決め事を2人に行わせそれを証人として見守る重要な役目を担っています。
Kiddushin and Nisuin
結婚式には2つの部分
"Kiddushin" と "Nisuin"。ともに喜びと豊かさの象徴であるワインでの祝杯が始まります。
最初の祝杯は安息日の神聖さを唱え、ワインをもってこれを祝す。結婚する当事者たちの関係を神聖なものとし、花婿花嫁それぞれが一口づつワインを飲みます。
2つ目の杯は式典そのもの中でこの掟を執り行う事ができた事を神に感謝し7つの祝祷の最後に、”このフッパーの下での貴方の民、イスラエルの人々の結婚式とその契約を聖なる物として贈ってくれた神を賛美する”として締めくくられ、再び両人たちはワインを飲み喜びを分かち合います。その後に花嫁によりそのグラスが割られます。
そして2人の立会人の基で花婿から金の何の飾りもない指輪が花嫁の右の人差し指に贈られました。その時花婿より花嫁へ”モーゼとイスラエルの法律に基づき、この指輪を持って貴方は私へと捧げられる。”と言い渡されます。
The Ketubah - Marriage Contract
結婚の契約書
婚約の条件を書き記した書とは別に正式な結婚の契約書が用意され、読み上げられます。
この"Ketubah"といわれる契約書は、夫から妻への生涯の責任を書き記したものです。たとへば、゛妻のために働き、節操を保ち、妻に貢ぎ生涯の生活を心の底から保障する”という内容が盛り込まれています。この契約書にサインすると言う事は体裁だけの
夫婦である以上に、人間の関係を示す事とユダヤの法律と習慣に基づいた妻への金銭的責任を明瞭にするという法律及び道徳の上で、立場をより重みのあるものにしたものです。
これは基本的には妻の威厳すなわち立場を確約するためにあり、またいくつかの特権を授与するものでありました。結婚契約書は花嫁に渡され、もしこの契約書を無くしてしまった場合は、新しいものができるまでは夫婦一緒に生活をする事ができなくなります。
Sheva Berachot - The Seven Blessings
7つの祝祷
結婚式には7つの祝祷が含まれます。
成人男性10人以上の定数(ミニヤン)にてこの7つの祝祷を読み上げます。大事な祈祷書はかならず男子10人いないと声を出して祈る事を禁じられています。これは自治体が結婚の祝いに重きを置いているためです。
人々は神を人類の創作者として、人類の喜びであり、花嫁と花婿の存在を可能にした事を感謝しています。又、神は人間という形を作り、そして我々が同じ形の子孫を育むことができる事を可能にしてくれた事に感謝し賛美しています。
最初の賛辞は喜びを表す2杯目のワインで歌われます。
2つめは天地創造を感謝し、人々をこの結婚の日に集らせてくれた事への感謝です。
3つめと4つめの賛辞は神が肉体と精神を持つ人間を作り出した事への賛美です。この賛辞は結婚式にて2人が完全に道徳ある人間としての生活を始めるときに歌われます。
5つめはエルサレム倒壊とその神殿の再建への感謝。 ユダヤの人々に対する神の特別なる慈悲において神殿復活という大掛かりな再建作業を成し遂げられた事をもっともの喜びとし、エルサレム崩壊の悲しみでさえ喜びに代え祈りを捧げます。
6つめの祈りは花婿、花嫁ともに永遠に愛を育み、誰もこの世にはいない時代のアダムとイブを両人に重ねあわせ幸せを思う事です。
7つめは、モーゼが流浪の旅からユダヤの民を救いやがて静かで平和な世界の訪れを願う気持ちを祈ります。
Yichud - Union