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イエスキリストが十字架にかけられてから復活した事から復活祭と呼ばれ一般的には春を告げるお祭りとされています。実はこの行事はユダヤ教に深く関わる祭事だったのです。
いくつか説があります。多神教徒であったアングロサクソンの祖先は光と春の神Eostreを崇めていました。陽が昇る東という意味の名前です。また古代スカンジナビア神話では春の女神をEostareと書きました。
もう一説にはスカンジナビア地方やドイツ北部にいたサクソン人たちはOstaraと呼んでいまし
た。ちなみにEastreは春という意味の古代言語だったそうです。
8世紀頃学者たちの間で、イギリス人学者であり牧師でもあるSt. Bedeによる説を受け入れるようになりました。それは "Easterの言語はスカンジナビアのOstaraの派生で、ドイツ語のOsternもしくはEastreにあたるもの。
春と豊かさ、多産を春分の日に祝う神話というものです。
キリスト教徒でイースターがより定着してきた由縁は、ユダヤ教の習慣である過越(すぎこし)の祭り(ペサハ・Passover/Pesach)からとされます。この過越しの祭りとはユダヤ人の歴史に根ざした最とも古い伝統を思い起こす祭りで、旧約聖書にあるモーゼによる出エジプトを誇りとする祭事なのです。 春はユダヤの人々にとって一年の始まり、8日間もの祝賀が続き、エジプトからの奴隷解放を記念すべき重要なお祭りとなったのです。ヨーロッパの人たちの間でのEasterはPaschとも言われ、PassoverもしくはPesachの語源ともなっています。
早期時代のキリスト教徒たちはもともとはユダヤ教からの改宗者でした。次第にユダヤの習慣が時代とともに新しい形となってきたのです。救世主の到来という預言者たちによるお告げを記念する形となりイースターは今日まで残るお祝いの日となりました。
イースターはローマンカトリック教会により、春分の後の満月の次の日曜日と設定されています。毎年3月22日から4月の25日頃までにある変則的な移動祝祭日となります。キリスト教ではこのような移動祝祭日が多いです。 イースターの日は属して いる教会により異なる日となる場合があります。カソリック、アングリカン、プロテスタント等の西方教会ではグレゴリアンカレンダーを用いており、キリストの生誕地に近い東方正教会 (ギリシャ正教)ではジュリアンカレンダーが用いられているためです。東方正教会では古い習慣が守られており、過ぎ越しの 祭りの日として祭事を行う所が多いようです。
Lent 四旬節
イースター当日までの日曜日を抜かす40日間の期間。キリストが荒 野で経験した断食の苦しみの40日間を思うためもの。
Shrove Tuesday(英国)/ Mardi Gra(仏蘭西)/ Fat Tuesday(米国)/
いずれも同じ日の事ですが、四旬節が始まる直前の火曜日に卵や
バターなど贅沢品を消費する日となります。イギリスでは卵ころがしゲームや パンケーキレースなども開催されます。
Ash Wednesday (英国)
四旬節の始まる当日。アメリカのニューオーリンズで
はカーニバルとよばれ、この日までの一週間くらいは盛大なお祭りになります。
Mothering Sunday 母の日
四旬節に入ってから第4週目の日曜日はイギリスの母の日に当たります。イギリスでは母の日がイースターに関連するためアメリカでの
母の日とは発祥の理由が異なります。母の日に焼かれていたSimnelケーキというフルーツケーキは四旬節を象徴する特別な食べ物になりました。
Holy week 聖週間
四旬節最後の週。イースター直前の週です。キリストの最後の時期を思う大切な期間で、教会では多くのミサが催されたり、教徒による行進などが見られます。
Palm Sunday 枝の主日
イースター当日より1週間前の日曜日。キリストがエルサレムに凱旋した際、住民たちによりシュロの葉を並べた道が用意された事から来ています。教会ではシュロの葉で作られた十字架が渡されますが、後に十字架を焼きその灰を次の年のAsh
Wednesdayのために保存します。
Maundy Thursday, The last supper 聖木曜日 最後の晩餐
キリストが12人の
使徒の足を洗い隣人を愛せとの説き彼らと食事を共にしました。食事の後キリストはユダに裏切られてしまいました。尚、1689年以前のイギリス国王ならびに女王もウエストミンスターアベイで人々の足を洗い、服や靴下などを差し上げていた時期がありました。現在は特別なコイン(Maundy
Money)を用意し、その年に貢献した年金生活をしている人々、女王の年の数と同じ男性85人と女性85人に配るそうです。
*この日に用意されるブーケはハーブや春のお花が集められたポージースタイルのノーズゲイ(nosegay)と言われるブーケです。本来は小ぶりですが、王族が持つブーケは大きく葉とレースがあてがわれた伝統のスタイルです。
Good Friday 聖金曜日
キリストがゴルゴダの丘で十字架に架けられた日。この日はキリストが人々のために自分の命を諦めた悲しい日ですので教会には一切花を飾りません。教徒たちはクロスバンズという十字の印が入ったパンを食べます。
St. Saturday 聖土曜日
復活際直前の日 復活祭徹夜の祈り Easter vigil
serviceと言って闇夜で礼拝が執り行われ、大きなパスカルキャンドルの灯りを以ってキリストの復活を祝うものです。
Easter Sunday 復活の日
教会では白のユリが飾られ、祭壇にある紫のクロスは白や金色に変えられ、キリストの復活を祝うミサが行われます。キリスト教徒にとっては一番のお祝いの日となります。この頃には冬の厳しさから解放され人々は春の訪れを楽しみます。子供達には卵の形をしたチョコレートを配ったり、また卵に色をつけて遊ばせ
たりしました。アメリカでは親が庭に卵を隠し、子供たちは一斉に卵ハンティ ングを楽しむのも日の午後です。
イースターで今日でも残っている象徴・習慣の一つがうさぎ、多産の象徴的な動物。さらには春の暖かな光を思わせる綺麗な色を塗られたイースターエッグがあります。イースターエッグ転がし(注釈1)というコンテストがあったり、または卵型のチョコレートのギフトがこの時期ではあちらこちらでみられます。イースターも他の行事と同じように家族や友人たちの間でカードが送られたり、プレゼントを送り合う習慣があります。
(注釈1)イースターエッグ転がしコンテスト:丘の上から卵を割らずにどれだけ遠くまで転がせるかを競う遊び 詳細と動画イースターの卵とうさぎについて
イギリスの母の日に焼かれていたシムネルケーキ (フルーツケーキ)、白いハト-キリストの十二使徒、東方教会では赤く塗られた卵などが現在でも用意されています。
紫
忠実、富、豊かさ (Royalty, wealth, luxury) イエス・キリストが十
字架に架けられた時に身にまとった服の色, 死を悼む喪の意があると当時に、復活するキリストを高貴なる神として色の象
徴ともされています。紫色はレント(四旬節)に使われる色で、教会のテーブルクロスに使われた
り、牧師のローブや、ストールなどにも見られます。
緑 新しい人生 (New life)
白 純白、純潔 (Purity and holiness)
棘の冠 Crown of thrones
シュロの葉 Palm tree
イースターリリー 詳細
April 2015 updated